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ベッドが軋む音。遮光カーテン越しに見える月。
その微々たる明かりで照らされて青っぽく染まる私達。
君が動くたびに振動が下腹部から脳天まで突き抜ける。口からは勝手に声が出る。粘膜が混ざる音がする。
あっ、と言う弱く震える私の声を君は喘いでいると勘違いしているでしょ?
これね、痛くて出てる声だよ。
部屋が暗いからきっとバレていないだろう。
月明かり程度なら見えないだろう。
きっとシーツには赤いシミができている。
君を見ているはずなのに、君の顔を見ているつもりなのに、君のおでこと頭しか見えない。
目が合わないな。
ふんわりと君からシャンプーの匂いがする。
私と同じ匂い。
それから、千鶴と同じ匂い。
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