呑み込む。破る。

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こんな私を親友と言ってくれる千鶴が好き。 好きで可愛くて恨めしくて妬ましくて。 千鶴の顔の皮を剥ぐ夢を何回も見た。 千鶴の目を私の目と交換する想像を何度もした。 私が千鶴になる妄想を幾度とした。 その度に私の心はすり減って形が歪になった。 恥ずかしいやら、情けないやら。 惨めったらしくて数え切れないくらい泣いた。 「あー、イキそう」 私を上に跨がせ下から突く彼が絶頂を知らせる。 痛みで顔を歪める私の事など見ていない彼は構わずに下から揺する。 痛みを散らしたくてふと窓を見ると、遮光カーテン越しに夜桜が見えた。 月明かりに照らされて青みがかった夜桜が桃源郷のようで涙が出た。 そんな事などに興味がない彼は何だか下でぶつぶつ言いながら動きを激しくしていた。痛くて口をつぐむ私の下で彼は目を瞑ったまま動きを止めて静かになった。 28年間誰にも破られることのなかった膜が破れ、私は処女ではなくなった。 呼吸を整える君の上で私は静かに泣いた。 膜が破れて痛いのか。 心が痛いのか。
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