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ベッドの上に落ちた灰をティッシュで取る。
ちゃんとは取れなくて灰色の汚れが出来てしまった。
ベランダで下着姿の君の後ろ姿を眺める。
背骨が浮き出た骨ぼねしい背中は、まるで恐竜のコブに似ている。頼りがいのないその華奢な背中に自分が重なる。
私の背中に似ている。
肉付きのない鶏ガラの様なその背中はまるで私の後ろ姿だった。なんて色気がないのだろう。
風が君の髪を靡かせる。
私は彼の背中越しに千鶴を見た。
「町子は私の大親友だよ!大好き!」
千鶴の言葉が頭の中でリフレインする。
私は痛む下腹部を押さえた。
そして少し笑った。
私も大好きだよ。大好きで妬ましいよ、あなたが。
青臭さと体の怠さが面白い。
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