Black or White

4/14
前へ
/14ページ
次へ
次のバイトがある川瀬さんと 連絡先を交換し、喫茶店の前で別れた。 駅に向かい歩きながら、 僕は隣でほくそ笑む佐橋を小突いた。 「笑うな。あと、絶対に誰にも言うなよ」 「はいはい」 「とりあえず、家帰って寝る。疲れた」 「あはは、お疲れ」 「うん。それにしても、川瀬さんT大かあ。 すごいよね。僕も受けるけど、僕の場合は 挑戦校だし」 「頭いいよね。顔も良くて、明るいし。 でもさ」 「ん?」 「川瀬さんて、彼女いないのかな」 「あ」 「あれだけスペック高かったら、いても おかしくないよね‥‥それに、計画って 何だろう」 「そうなんだよ。計画‥‥全然わからない」 「全ては、来月以降だね」 雪が舞い始めた道を、傘を差さずに歩いた。 笑ってその日を迎えるためには、 更に勉強を頑張らなきゃと 佐橋と何度目かの決意表明をして帰宅した。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加