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次のバイトがある川瀬さんと
連絡先を交換し、喫茶店の前で別れた。
駅に向かい歩きながら、
僕は隣でほくそ笑む佐橋を小突いた。
「笑うな。あと、絶対に誰にも言うなよ」
「はいはい」
「とりあえず、家帰って寝る。疲れた」
「あはは、お疲れ」
「うん。それにしても、川瀬さんT大かあ。
すごいよね。僕も受けるけど、僕の場合は
挑戦校だし」
「頭いいよね。顔も良くて、明るいし。
でもさ」
「ん?」
「川瀬さんて、彼女いないのかな」
「あ」
「あれだけスペック高かったら、いても
おかしくないよね‥‥それに、計画って
何だろう」
「そうなんだよ。計画‥‥全然わからない」
「全ては、来月以降だね」
雪が舞い始めた道を、傘を差さずに歩いた。
笑ってその日を迎えるためには、
更に勉強を頑張らなきゃと
佐橋と何度目かの決意表明をして帰宅した。
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