35人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日は、朝から土砂降りの雨。
バイトが休みの川瀬さんに呼び出され、
放課後、制服のまま向かった先は、
僕が滅多に行かない繁華街だった。
あるターミナル駅に降り立つと、
川瀬さんからの連絡を待った。
『岸野くん、お待たせ。車で来てるから、
西口の改札を抜けて、階段下のマックの
前まで来てくれる?』
川瀬さんのLINEの情報を頼りに、
傘を片手に駅を出た。
階段を降り、マックの前で待っていると
目の前に白いクーペが止まって、
川瀬さんが窓から顔を出した。
「乗って」
「はい」
言われるまま助手席に乗り込むと、
川瀬さんは突然、僕の右手を握ってきた。
「か、川瀬さん?」
「では、計画を始動します。岸野くん、
僕のことが好きなら言うこと聞けるよね。
キミなら僕を理解してくれるって信じてる」
川瀬さんの強く情熱的と取れる言葉に、
僕は素直に頷いた。
それと同時に、車は発進した。
最初のコメントを投稿しよう!