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「えっ?あっ?分からない…です…」 「あはっ何で敬語なの?宇崎くん、僕のこと分かる?」 大きなタレ目が弧を描く。正直誰だか分かんない。不味い…せっかく声を掛けてくれたのに分からないなんて酷いこと言えない。でも、どうすればいいんだろう。マジで困った…どうしよう… 「百面相してるよ!自己紹介の時、心ここにあらずって感じだったもんね!きっと僕のこと分からないけど、どうしようってなってた?」 「うん…何で分かったの?」 「凄く分かりやすかったよ。大きな目がキョロキョロしてたもん!自己紹介は後でちゃんとしようね!とりあえず寮に行こっか。こっちだよ!」 あっと言う間に目の前のイケメンに手を握られて、グイグイ引っ張られる。しっかり着いてきて!なんてキラキラした笑顔を向けられた。イケメンの笑顔の破壊力が凄い。何で僕はこの人に手を握られたままなんだろう?周りの目を気にしつつ、手を握られたまま寮に着いた。 「ここだよ!宇崎くんのネームプレートは…あっ!あったよーこっちこっちー!僕の部屋の隣だね。亅 ニコニコしながら手を振ってるだけなのに、何であんなに絵になるんだろう?イケメン恐るべし… 「ありがとう。えっと…宇崎奏です。名前教えてもらえる?」 「そうだったね。僕は栗栖一狼、内部生だから分からないことはどんどん聞いてね。」 「クリスでイチロー?ハーフなの?」 驚きで大きく見開かれた瞳が今にもこぼれ落ちそうで、思わず笑ってしまった。 「もー笑わないでよ!生粋の日本人だよ!木の実の栗にきへんに西で栖の栗栖だよ!英語変換されたの初めてだよー」 プンプン怒るって言葉がこんなに似合う人って現実世界にいたんだな…こんなに彫りが深くってイケメンなら間違えられたことくらいありそうなのになぁ…
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