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「ねぇ聞いてるー?」
さっきまでプンプンしてた栗栖くんに覗き込まれる。キラキライケメンが鼻先10cmのところに居てビックリした。
「あっゴメン!聞いてなかった…」
「もー僕1人でずっと喋ってたじゃん!ランチ一緒に食べない?って聞いてたのに!」
「一緒に食べてくれるの?ありがとう…」
「やった!じゃ、あとで迎えに行くね!それまで部屋で待っててー」
そう言うと栗栖くんは颯爽と部屋に入っていった。嵐の様な人だったなぁ。でも、人見知りで引っ込み思案な僕には彼くらい勢いがある人が近くにいてくれた方がいいのかもな…
部屋に入るとそこは白くて綺麗で…寂しい感じがした。何だか疲れたな…初めてのことばかりで気を張ってたみたいだ。
父さんの海外赴任が決まってから慌ただしく色んなことが決まっていった。母さんは着いていく、僕は日本に残る。僕は瞳子さんの旦那さんが理事長をしているこの学校を受験することになった。思い出したくないくらい必死に勉強した。合格できてほんとに良かった。
今でも実家はあるが通学するには距離があって寮に入ることになった。瞳子さん家に下宿するって話しもあったけど、何だか悪い気がして断ったら瞳子さんに「何でうちじゃダメなの?!亅って詰め寄られた。母さんが間に入ってくれて何とか収まったけど、あのままだと瞳子さん泣き出しそうだったな…
どこかから音がする。ベッドに横になっていたせいか、いつの間にか眠っていたらしい。
”ピンポーン”って、ここインターホンも付いてるの?最近の寮ってすごいんだなぁ…って関心してたらピンポンの嵐が起きた。
”ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン”
待って待って!何これ新手のイジメ?ヤバい何?パニックになりながらドアまで走った。急いでドアを開けるとそこにはニコニコしてる栗栖くんと背の高いイケメンがいた。
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