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沢山の人がイヴを囲む。その中にははかせ、カノン、ターニャ、シャル、タカト、ヴァン、リリィ、オルガ、ルキ……リアナ、帝のひとや、街で会った人達……みんな、イヴを見て嫌そうな顔をする。
「ばけもの」「ばけもの」「ばけもの」「ばけもの」
皆がイヴをそう呼んだ。
「ちが、イヴは、イヴ……は」「人じゃない」
「人じゃない」「人じゃない」「ばけもの」「人じゃない」
やめてほしくて、
「きいて……ちが、うの……」
手を伸ばす。
「お 前は」
「生まれ ては「い け なかっ た 」
──グシャァッ!!
伸ばした手は誰かを傷付けて、血が沢山かかった。温かくて気持ち悪くて、怖くて。
「 ほら」誰か の「手 を握る こ とも」で きない
」でしょ う?
聴きたくない。
助けて、
いやだよ、こんなの。
「うぁ゛ア」
涙を流す時も魔物みたいに怖い声になっちゃったけど、イヴは人間だよ。
「災 いだ」「魔 王だ 」
皆がイヴを「殺 さ れる ぞ」いじめるの。
やめて。
みんなと同じがいい。
「イヴはにンげんダよ。待ッテよ」
囲んでいた人達が逃げていくのが悲しくて、泣きながら追い掛ける。
手を伸ばすと、皆の背中を爪が引き裂いた。
また景色が真っ赤になった。
行かないで欲しかった。一人にしないで欲しい。
「マっ、て……みんな」
お」 前『は幸 せ」に「はな 「れな い』
「 全 てを 』滅「 ぼす『運」命 だ『」
「違う、いやダよ……助けて、」
身体が勝手に動いて、逃げていく人達の手を掴もうとする。
潰したり刺したり引き裂いたり、こんなことしたい訳じゃないのに、止まらなくて。もう、手も真っ赤になって。
「カルラ……!!」
思わず、名前を呼んだ。
イヴが自分を止められなくなったときも、ルキが変わってしまったときも、カルラは真っ直ぐに助けようとしてくれたから。
だから、心の何処かでまたカルラが助けに来てくれるんじゃないかなって、守ってくれるんじゃないかと思ってしまって。
「イヴっち見ーっけwwwwどしたんwwww話聞こかwwwwww」
そう思ったら、やっぱりカルラは来てくれた。
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