17.こっちを立てればあっちが立たず

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まるで影のようなその子は、一言も発せずにイヴっちを見つめたまま。 『それは今の貴女の運命の末路。可能性の一つ……己自身に打ち勝ち、運命を変えて見せてください』 女神様の言葉を合図に、イヴオルタてゃが更に身体に変化を施し、角や翼が生えて臨戦態勢に移る。 「これが最後の試練ってやつですなwwww頑張れイヴっち!」 「これが、イヴ……」 不安そうに胸の前に手を持ってきたイヴっちが、一歩後退りした直後、ついに黒イヴちゃんが仕掛ける。 ──ガッ!! ドス黒い魔力を纏った爪の一撃。間一髪で直撃は避けられたものの、腕に生々しい裂傷が走る。 「たたかえ、イヴ」 「……っ!」 無感情にそう言うと、ダークイヴさんの両腕にある鱗が更に範囲を広げ、肩から首筋まで表出する。 「ころせ、ころせ。わたしをころせ」 「いやっ、やめて!」 抑揚のない声とは裏腹に、攻撃は激しさを増していく。なんだか見ていられなくて、しかし相手がイヴっちそっくりの女の子ということでwwwwカルラくんは直接手出し出来ないというwwww応援していくしかねぇwwww 「怖がるなイヴっち!頑張れ!」 「カルラ……っ」 「俺は何もできないけど、見守ってるから!二人で帰ろうねwwww」 いずれ自分がこうなるという姿を見せつけられ、そいつが殺し合いをしろと唆してくる。 怖いのは当然だけど、手出し出来ないwwwwイヴっちの試練だし神様からストップかかりそうだしねwwww 「よそみをするな。ころせ。ころしてみせろ」 「ぐっ……!」 イヴっちの全身に青白い魔力が灯り、それが盾のようにアナザーイヴさんの攻撃を受け止める。更に魔力の塊が2Pカラーイヴっちに向けて放出された。 ──ドゴォオッ!! 「すげぇwwwその調子でござるよwwww」 「うん、がんばるっ」 覚悟を決めた真剣な顔で、イヴっちは俺に向けて頷いた。イヴっちの顔を間近で見ていた一人としては、こんな大人びた顔もするようになったんだなぁと思ったり。 そして、褐色イヴさんとの激しい攻防に、俺は絶えず声援を送り続けた。 「顔の良さがキレッキレwwww仕上がってるよwwww」 「ナイス顔面wwww女神も逃げ出す美しさwwww」 「その可愛さだと眠れない夜もあっただろうwwwwwwww」 「魔力を放つ時はもっと鋭くwwww出来れば服が破れる感じにwwww」 「なんという美少女キャットファイトwwwwえちちちちちちwwwwwwww」 声援というよりは野次だったかもしれない。 そんな事を思っていると、相手の闇イヴさんが俺の方を睨み付けた。 「うるさい」 瞬間、ドス黒い魔力で象られた腕に全身を握るようにして自由を奪われてしまったンゴwwwwwwww
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