その声に歌と約束を乗せて

1/6
前へ
/6ページ
次へ
小さい頃、妹と一緒に見た舞台は今でも忘れられないくらいすごく良い舞台だった。 特に自分と年齢が変わらない少女が大人顔負けで歌うシーンは感動してしまい涙が出てしまった。 だから俺は居ても立ってもいられず、公演終わりの役者さん達のお見送りでその歌姫の子に言ってしまった。 「凄く良かった!俺も舞台役者になる!」 そう言うと妹も「私もー!!」と元気よく言ってきて、そんな俺らを見て歌姫はクスクス笑うと小指を出してきた。 「じゃあいつか同じ舞台に立とう」 「ああ!約束な!!」 小指を絡ませて指切りをすると妹も歌姫と指切りをして、別れた。 それからはずっと彼女との共演を夢見てきた。ずっと……。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加