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みんなと久しぶりに会えるのはすごい楽しみだけど、麻里奈のことだけが気がかりで心がざわついていた。今までどおりに話すことができるかな。もし目を逸らされたりしたらどうしよう。そもそも高校の話題はしても大丈夫かな。麻里奈以外はみんな第一志望の高校に合格している。他のみんなも麻里奈に気を遣うかな。もう頭の中がガチャガチャして自分でもよく分からない。
みんなで会う約束の日。待ち合わせのファミレスに自転車で向かった。店の前に数人が集まっていたが、まだ麻里奈は来ていなかった。誰もが受験が終わった解放感に浮かれて、キャッキャと騒いでいた。
「あと来てないのは麻里奈ちゃん?」
「そだね」
春休みに高校の宿題が出ていて、せっかく遊び倒そうと思ってたのにとブーブー言いながらも、おしゃべりに夢中だった。
「もうみんな集まってるじゃん。遅れてごめんね!」
と、麻里奈も自転車でやってきた。
「おー! みんな揃ったね。じゃあ、お店入ろうか」
いつもどおりにみんなと接している麻里奈を見て、少しホッとした。
「麻里奈ちゃんの学校も、宿題出た?」
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