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お母さんと共に、志望校へと向かった。今日が高校受験の合格発表だったからだ。
正門をくぐる。校舎の前に人だかり。大きな白い紙には、たくさんの番号が羅列してある。
自分の受験番号を探す。心拍数がやばい。あんなに頑張って勉強したんだ。絶対にある!。
「菜々! あったよ!」
お母さんが見つけるのとほぼ同時に、自分でも番号を見つけた。今まで感じたことのないくらいの感情が、身体中から溢れ出していく。嬉しい! 嬉しい! 嬉しい!。喜びが涙に変わっていく。お母さんは目を潤ませながら、私の手をとって何度も頷いた。
「菜々」
振り向くと麻里奈がいた。
「どうだった?」
今までの努力が報われたことをとにかく伝えたくて、私の感情は高ぶり、声がうわずった。
「合格だったよ! 麻里奈は?」
私は興奮が抑えられないまま、麻里奈の返事を期待していた。
「落ちたよ」
「……え」
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