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 ところでだが、争いの後に残った破壊活動の爪痕は、例外なく、見る者の心を虚しくする。  お互いの物を投げ散らかしたせいで、足の踏み場もない状態になっている自分達の部屋を、十和子と美加子はこれから片付けなければならなかった。  ため息をつきながら、美加子は自分が投げた十和子の雑誌を拾い上げた。 「ん?何これ」  数冊の雑誌の下に、しなびたニンジンが、押しつぶされるようにして埋まっていた。 「何でこんなところにニンジンがあるの?」 「このしなび具合からすると、一週間以上は経ってるね」  二人のうちのどちらかが、何らかの理由で、台所からこの部屋に持ってきて、そのまま忘れていたのだろうか。  十和子も美加子も、自分がしたことなのかどうか、思い出せなかった。  二人して、拾い上げたニンジンをじろじろと観察する。 「でも、しなびてはいるけど、まだ食べられそうね」 「腐ってはいないからね」
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