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「決まってるだろう……。俺を好きになってくれて、俺にすべて委ねてくれて――。だからこそ今があるんだ」 「隼人さん……」 「……みなはこの前俺に見合う女性になりたいって言ったけど……それは俺の方だよ。もう少し歳頃が近ければ、君が年相応甘えることができるんじゃないかなとか、やりたいこと行きたいこともわかったりするのかなって、考えてばかりだ」 ハッと目を見開く。 『隼人さんみたいな、大人の男の人には……、私みたいな年下じゃ似合わな――』 素敵な彼の隣には、私みたいな子供じゃなくて、もっと素敵な人がいるんじゃないかって不安で仕方なかったけれど。 でもそう感じるのは、私だけではなかったんだ。 彼は彼で、同じようなことに悩み不安視していたんだ。 「……そんなわけありません。今のままの隼人さんが一番大好きです」 「ほんとうに? 十年後、後悔するかもよ? こんなおじさん嫌だって」
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