恋と恋 幼なじみの俺ときみ

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悠斗が俺の肩を叩く。 「しーんちゃん、一緒に帰ろ」 イケメン顔の距離が近い! 俺は内心ドキドキしながら、頷いた。 帰り道で注目されているのは、やはり悠斗のほうだ。 俺も、悠斗に見惚れてた。 モデルをやるようになってから、ますます顔が良くなったと思う。 「しんちゃん、アイス!アイス食べよう」 「俺、甘いものはだめだって知ってるだろ」 「知ってるよ。でも、バニラは食べられるでしょ?」 「食べられるけど」 「じゃ、しんちゃんバニラ、俺チョコチップ」 アイスの移動販売に並び、俺たちはアイスを買った。 「ん〜、んまい!」 悠斗がチョコチップアイスを食べて幸せそうだ。 俺もバニラアイスを食べる。 (甘い) だが、嫌な甘さではなかった。 食べてるうちに、何かが引っかかった。 この味におぼえがある。 そうだ。悠斗とのキスの夢だ。 突然思い出してしまい、俺は恥ずかしくなった。 「しんちゃん、どうしたの?」 「な、なんでもない」 「?ねえねえ、バニラアイス一口ちょーだい」 「え、あ、いいよ」 悠斗が大きな口を開く。 ぱくりと食べた。バニラアイスの面積は半分以上減った。 俺が苦笑していると、悠斗がチョコチップアイスを差し出す。 「食べる?」 「俺が苦手なの知ってるだろ?」 「えへへへ、知ってる」 いたずらっ子のように笑う悠斗。 モデルをしているときはかっこいいのに。 でも、こういう笑顔の悠斗のほうが、俺は好きだ。
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