1.青年王は美形につき、お断り

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「むしろ城にいると、暗殺される危険がでかい。あちらこちらから間者が送り込まれているし、裏切り者も多い。……信用できる者があまりいないんだ」 「そう……」  ほら、また悲しそうな顔をする。仕方がないわね、とマーシャは木の下に向かって言った。 「弟子にしてあげる。ただし、ここまで登ってくることができたらね。ログレスの王、覚悟なさい。あたしは厳しい師匠だから」 「アーサーだ」 「え?」 「俺の名前。それからもうひとつ。はっきり言わなければ伝わらないだろうから言っておく」 「なに? まだ何かあるの?」 「俺はお前が好きだ」  言い放つと、青年王――アーサーは、大きく見開かれたマーシャの紫色の瞳から視線をそらし、オークの太い幹に足を掛けた。
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