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「太郎のせいじゃないから気にするな。ただ、どうしてみゆが悪魔だと誤解されたのか、悪魔が何をしたのか、詳しく聞いてきてくれないか? 誤解を解くにも、悪魔が何をしたのかわからないと無理だから」
「わかった。両親が落ち着いたら聞いてみるよ」
「三田先生に聞いた方が早いかも。三田先生、京子さんの事も知っているみたいだったし」
華の言葉に、太郎が大きく頷いた。
「明日、三田先生に聞いておくよ。もうすぐ日が暮れる。優斗とみゆが泊まれる場所を探さないと」
そうだ。まず今晩どこに泊まるかが大問題だよな。
「外以外ならどこでもいいから、どこかないか?」
みゆを野宿させたくなくて、太郎と華に聞いた。
「太郎、私の家の近くの空き家は?」
華が太郎に問いかける。
「あそこは何十年も誰も住んでない。危険だって」
太郎が首を横に振ったが、華が「あの空き家、1年に一度、誰かが掃除をしにきてるんだよね。だから、そんなに汚くないと思うよ」
「知らなかった。誰が掃除をしているの?」
太郎が華に聞く。
「知らない人。王都から来ているんじゃないかな」
「王都から、わざわざ空き家を掃除しに?」
「うん。たぶん。だって、衣装がこの街の人とは違うから」
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