異世界へ

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とりあえず、あそこに見える家の住人に聞いてみるか。 さっき佐和城から見た景色と全く違う景色が広がっている事に違和感を覚えながらも、みゆの怪我が心配で、家に向かって歩く。 その時、俺と同じくらいの年頃の男の子と女の子が、俺の方に走ってきた。 「変な服を着てるね」 「見かけない顔だけど、どこから来たの?」 2人が俺をジロジロ見ている。2人の服は、以前読んだ漫画の主人公が着ていた服と同じだ。 確か、時代は中世ヨーロッパだった。 って、ここは日本で、今は令和だぞ! どう考えてもおかしいだろ? あっ、あの2人はコスプレイヤーか! それならわかる。 「何をブツブツ言ってるの?」 「変なやつ! お前、名前は?」 「北島優斗、君たちは?」 「俺は香川太郎、こっちは野間華」 日本語を話しているし、日本の名前だ。やっぱり2人はコスプレ中なのだろう。 「太郎、華、俺の友達が崖から落ちて足に怪我をしてる。病院がどこにあるか教えてくれないか?」 「怪我? 私、三田先生を呼んでくるね」 華が家の方に走っていった。 「ありがとう」 俺は華に向かって叫ぶ。 「怪我している子って、どこにいるんだ?」 「そこの草むらに」 俺はみゆがいる草むらを指差した。
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