15人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
「骨は折れていないから、薬を塗って足首を冷やしていれば、2.3日したら治るよ。彼も酷い傷だね。この薬を渡しておくから、2人ともこまめに塗りなさい」
「ありがとうございます。治療代はいくらですか?」
俺はウェストポーチから財布を取り出して、お札を見せた。
三田先生と、太郎、華がありえないという顔をして俺を見ている。
「優斗、ふざけてる?」
太郎がイラッとした口調で言う。
やはり、ここは異世界で、日本のお金は使えないのか?
「すみません。お金をもっていなくて、俺、何でもしますから、治療代の代わりに働かせて下さい」
俺は三田先生に頭を下げた。
「いや、治療代はいいよ。なるべく患部を動かさない方が良い。その方早く治るから」
三田先生はそれだけ言うとかばんを閉じて、立ち上がった。
「みゆちゃん、君……まあ、今度でいいか。じゃ、僕は帰るよ」
最初のコメントを投稿しよう!