異世界へ

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「骨は折れていないから、薬を塗って足首を冷やしていれば、2.3日したら治るよ。彼も酷い傷だね。この薬を渡しておくから、2人ともこまめに塗りなさい」 「ありがとうございます。治療代はいくらですか?」 俺はウェストポーチから財布を取り出して、お札を見せた。 三田先生と、太郎、華がありえないという顔をして俺を見ている。 「優斗、ふざけてる?」 太郎がイラッとした口調で言う。 やはり、ここは異世界で、日本のお金は使えないのか? 「すみません。お金をもっていなくて、俺、何でもしますから、治療代の代わりに働かせて下さい」 俺は三田先生に頭を下げた。 「いや、治療代はいいよ。なるべく患部を動かさない方が良い。その方早く治るから」 三田先生はそれだけ言うとかばんを閉じて、立ち上がった。 「みゆちゃん、君……まあ、今度でいいか。じゃ、僕は帰るよ」
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