異世界へ

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異世界へ

「みゆ、危ない!」 「えっ……」 俺とみゆは、高校2年の夏休みに、佐和城に遊びに来ていた。 城見学を終えた後、俺達は城の周囲を歩いて、城下に広がる街を見ていた。 崖になっていて危険なので、崖の端っこにまでは行かず、少し離れたところを歩いていた。 それなのに……。 一瞬の事で何が起きたのかわからなかった。 みゆが引き寄せられるように崖に近づいて行き、手を広げた。 俺は叫ぶと同時に、みゆの手を取ったが間に合わず、俺とみゆは崖から落ちていく。 みゆ、どうして? みゆは自分から落ちたように見えた。 俺は訳がわからなかった。 俺達はこのまま死ぬのか? 意識が薄れていく。 ドスンという音がして、地面に落ちた。 幸い地面に草が覆い茂っていたせいで、身体中が痛いけど、命は助かったようだ。 崖から落ちた恐怖で、身体の震えが止まらない。 「みゆ?」 俺は自分の無事を確認すると、すぐにみゆを見た。 みゆはピクリともしない、まさか! みゆの口に手を触れると、息をしているのがわかった。 良かった。 「みゆ、大丈夫か?」 俺は軽くみゆの肩に触れて、みゆの耳元に声をかける。 みゆはゆっくりと目を開くと同時に、「痛っ!」と右足首に手を触れた。 みゆの右足首を見ると、真っ赤になっている。落ちた衝撃で、怪我をしたのだろう。

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