【ネタバレ注意】『鬼太郎の誕生 ゲゲゲの謎』の感想

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【ネタバレ注意】『鬼太郎の誕生 ゲゲゲの謎』の感想

2024年5月9日。 もともと鬼太郎ファンである私は、映画公開初日に入村(ゲ謎を観ることをファンはこう呼びます)しました。 オカネと時間に余裕があるなら毎日でも入村したかったのですが、いかんせん物価高とビンボーなので、Blu-ray購入を政策決定時から決めていたため、映画館での入村は1度に思いとどまりました。 Prime Videoで見放題配信が始まり、改めて観たのでこのタイミングで感想を書くことにしました。 【以下ネタバレが含まれます】 TVシリーズの『ゲゲゲの鬼太郎』第6期が非常に面白かったため、満を持して制作されたゲ謎にはとても期待しており、かなり自分の中でハードルが上がっていました。 実際に観始めると、『墓場鬼太郎』やガロ版の『鬼太郎の誕生』とはまったく異なる内容でした。 これは残念と言うより、6期を観ていると想定内というか、すでにアニメ『墓場鬼太郎』でも描かれた内容をトレースするとは思っていなかったので、特に驚きはありませんでした。 ただ、残念というか個人的には、当初の発表の通り鬼太郎の父役を野沢雅子さんにやって欲しかったのと、鬼太郎の母を戸田恵子さんにやって欲しかったです。 ちなみに鬼太郎の母は、沢城みゆきさんが演じています。現役ではなく、初代と二代目に両親を演じて欲しかったです。 ゲ謎はガロ版などの『鬼太郎の誕生』とはまったく異なると言いましたが、実は『鬼太郎の誕生』の前日譚となっています。 で、『鬼太郎の誕生』のエピソードはエンディングで、原作マンガ風の静止画で語られます。 ゲ謎は鬼太郎の父と水木の二人が主人公のバディムービーとなっているのですが、原作には出てこないミイラ男の姿になる前の鬼太郎の父の姿や、水木の過去が描かれています。 鬼太郎の父の姿はTVにも出ており、これは水木プロが原作に登場しない部分をアニメ化することを快諾してくれたため実現したことだそうです。 生前、水木しげる先生も「原作者が口出ししないほうが面白いアニメができる」と言っていた気がするので、その考えを引き継いだのかもしれません。 そして水木ですが、原作ではさえないサラリーマンとして描かれていますが、ゲ謎では会社でのし上がろうとする野心家の男になっています。 また、水木には『玉砕』などで描かれた水木しげる自身の戦争体験が反映されているのも、注目ポイントです。 いくつも注目ポイントがあるのですが、もう1つ上げておきたいのがアクションです。裏鬼道や狂骨とのバトルシーンをCGに頼らずに、これでもか! と言わんばかりの作画で描かれています。 正直、これが東映アニメか? と思うほどこだわりが詰まった作品で、エグい内容が苦手でない方には、激しくおすすめしたい映画です。
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