ショウリョウバッタの短すぎる物語

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 ショウリョウバッタは、諏訪湖のサービスエリアで車のミラーに止まりました。すると、しばらくして主人が戻ってきて、車が走り出しました。 20キロ、50キロ、80キロ… どんどんとスピードが上がる中、必死に必死にしがみつきました。向かい風で後ろ足が落ちてしまっても、必死に必死にしがみつきました。触覚を靡かせて、必死に必死にしがみつきました。  そして、5キロほど走った頃、とうとう風に吹き飛ばされてしまいました…。  恐らく人生最大の旅で、人生の最期を飾ったことでしょう。
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