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「でも、家族が水になった事とは関係がない。その時には既に、俺が制御していた」
だから、和希にも理由が分からないらしい。
「制御ですか………………」
「今も、佳樹は俺に怒られる事はしない」
それは、刷り込みだろう。
「それと、俺は佳樹が可愛い!!!!!!!」
「止めろ!!!」
和希は俺の頭にキスをして、抱きついていた。これだけされても我慢してしまうのは、やはり和希には逆らえないのだろうか。
「佳樹、昔は兄ちゃん大好きって言っていたのに…………」
今も、兄貴を尊敬しているが、それとこれとは別物だろう。
「大体、水瀬家の事情は分かりました。それで、俺も一緒に調査に行ってもいいですか?」
「それは助かる。アルバイト料を振り込んでおくよ」
すると、塩家は必要経費以外のアルバイト料は要らないので、竜の権利が少し欲しいと言い出した。
「佳樹に何か頼みたいの?」
「いえ。水瀬本人も絶対必要と認めた時だけで構いませんので、俺から竜への命令、もしくは、願いを言わせてください」
それは、緊急事態の時には有効かもしれない。和希の許可なしに、竜の力を発揮できる。
「佳樹、いい?」
「わかりました」
すると、渋々と和希が了承していた。
「塩家君も、何かを追いかけているのか……」
「立場上は、水瀬と変わりません」
人ではなくなった者を、人に戻そうとしている。
「あまり、危険な事はしないでね」
「わかりました」
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