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「しかも、正確にはこれは、竜水だ。しかも、この竜の爪は五本。格が上だ」
「え??」
俺は竜を出すと、指の本数を数えてしまった。
「宝珠は透明。銀色に光る」
「え???」
俺は竜に宝珠を出して貰うと、手に取って光らせてみた。すると宝珠は透明だが、光は銀にも近いが、金色にも見える。
「竜は指の本数で格があるのですか?」
「そうだよ。五本だったでしょう。とても格が高い竜だ」
竜を透明にしていたが、天野も同じ竜の指を見ている感じがする。
「もしかして、見えていますか?」
「何が?」
そこで、俺が竜を示すと、天野は軽く頷いていた。
「ああ、ここはペット同伴可なのかと思っていたけれど、もしかして、他の人には見えていないものなのか」
竜をペットに連れて来る人は、多分、世の中にはいないだろう。しかし、水の味が分かった時点で、天野も普通ではないと気付くべきだった。
「君も竜だけど、他の人には見えているみたいだったから、ここではいいのかと思ったよ」
「俺は人です」
天野は特殊な家系なのかと思ったら、普通に会社員の家庭で育ったらしい。
「でもいいね。私は竜の傍で生活してみたい」
「ケンカしますよ」
天野は陽洋を買い取る事は止めたようだが、他の計画を思いついたらしい。
「うん、うん、いいね!」
そして、天野は一人で納得すると上機嫌になっていた。
「相良さん、ありがとう。陽洋がよく分かった。ここの材木は、神社と同じで、どうやって入手したのだろう……神宮の森?そこで育ったものだ。そして、そのテーブルはご神木」
そして、陽洋は竜を封じつつ守っているらしい。
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