運命の日 3

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 入口で座り込んでいた義父が立ち上がっていた。憔悴しきった横顔に、「お義父様」と話しかけると、力なく頷いた。   「そちらの消毒用のウィスキーで手と衣類を拭かれてから中にお入りください。患者さんの意識はありませんが、最期かもしれません、お顔を見て話しかけてあげてください」 「!」  看護師の言葉に、心臓が脈打った。私達は、一郎さんが危ないから呼ばれたのだ。
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