運命の日 3

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 隣にいた私は、そのお顔の凛とした美しさにウットリと見とれてしまった。 「そのためには乗り越えなくてはならない問題が山程あるが、君は付いてきてくれるだろうか?」    私は間一髪も入れずに、「ええ」と頷いた。    その時、穏やかな風が吹いた。  焼け野原となったはずの田園地に、やや季節外れのヒマワリの花が沢山咲いていて、にわかに揺れた。 「まるで、夏のようだ」  炎に焼かれても、土から芽を出す力強さに感動すら覚えた。  それは、一郎さんも同じだったようで、目を細め、眩しそうに見つめている。   「琴子みたいに生命力ありそうだね」 「それ、褒められているのでしょうか?」 「もちろん。あ、女性ならばもっと可憐な花にたとえるべきかな?」 「……いいえ」  可憐ならば、一郎さんこそが一番相応しい。  傷を負っても夢を追い続ける男性は、ほんとうに美しいものだ。    ――この方の妻になれてよかった。   58cc9f34-c70e-479d-b09f-9ca4f27831a4
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