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そんな噂が、結婚して一年、二年過ぎた頃から使用人達の間でも流れ始める。
舅や姑、親族からも ″役立たず ″と烙印を押され、心を病んだ私が離婚に至ったのは、二十歳に届かない時だった。
出戻って、二年。
私は、実家の離れで引きこもった生活を強いられた。会うのはごくたまに両親と嫁に出た姉。外との接点は無く、家にあった本や辞書を読み耽る毎日。
そんな私に逢いにきてくれたのが、里親家族の梅吉だった。
「あんなに血色良くて健康的だったのに、まるで死人じゃないか」
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