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賑わいを感じられるところで、はたと歩みを止める。 「いけませんて、お嬢。俺が旦那様に叱られてしまう。」 「ええ、そうね。お父様は私を絶対に叱れない。だからお前が叱られるでしょうね。」 困り顔の男を後目に障子をほんの少し開け、外の様子を覗く。 この光景が好き。 誰もが活き活きとしていて、気分が高揚する。 でも、そこに身を置くことは許されない。 こうして覗くことさえ、本来ならば認められていないのだ。
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