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あの頃は、美津がお店の表に出ても怒られなかった。 呼ばれて行くと、菓子をくれる若い衆もいた。 美津がねだると、忙しい父に代わり肩車をして散歩に出掛けてくれる者もいた。 いつもより高い位置から眺めた江戸の街並みが輝いていたのは、夕日のせいだけではなかったように思える。
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