第一章 青い瞳の麗しの執事

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「お嬢様……!」 やや咎めるように僅かに語尾を荒げると、リュートは整った面立ちに薄っすらと眉を寄せ憂い顔を見せた。 「もう、起きるってば……」 その表情さえもジュリアには魅惑的に見えて、ベッドから起こした身体は仄かに火照っているようにも思えた。 「ジュリアお嬢様、お起きになられるのが少々遅すぎます」 相変わらず眉をひそめたままでいる、お付きの執事のリュートへ、 「怒らないでよ…リュート。そんなに怒ると、綺麗な顔が台無しだわ」 ジュリアがそう言うと、彼は仄かに頬を赤らめたようだった。 「……つまらないことをおっしゃられていないで、さぁ早くベッドからお出になられてください」 けれど即座に気を取り直したようにリュートはそう言うと、胸に片手を添え主人であるジュリアへ恭しく頭を垂れた。
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