165人が本棚に入れています
本棚に追加
華美なドレスを着せられ、ドレッサーの前に座らされると、彼女の豪勢なブロンドの髪がメイド達の持つブラシで、艶が出るまで念入りにとかれた。
「ふぁーあ……」
いつまでも続く髪梳きに、ジュリアが退屈になりあくびをする。
「ジュリア様、そのような行いは、はしたなくございます。あくびには手を添えるようにと、奥様の方からも……」
メイドが言い終わらないうちに、
「はいはい、今度からはちゃんとそうするから」
と、ジュリアは心底面倒くさそうに話を打ち切った。
ようやく身支度が済んでメイド達から解放をされ、広間の方へ出向くと、そこにはリュートが居て、たおやかな立ち居振る舞いでティーポットからカップに紅茶を注いでいた。
最初のコメントを投稿しよう!