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「お嬢様、温かい紅茶が入りましたので、どうぞお召し上がりください」
ジュリアがテーブルに着くと、目の前にソーサーとティーカップが置かれ、紅茶の薫りが真近に匂い立った。
一口を飲んだ彼女が、
「あなたの淹れる紅茶は、いつも格別よね」
そう口にすると、
「ありがとうございます。この上ない光栄に存じます」
リュートは応えて、しっとりとした微笑みを唇にたたえた。
ジュリアはその面差しを見つめ、リュートは本当に見惚れるほどの美形だなと思う。
アイスブルーの瞳と艶やかに流れる銀の髪に、線が細く儚げでどこか中性的にも感じられるその外見は、どこまでも魅力的で麗しかった。
令嬢付きの執事には、立ち居振る舞いの優雅さとともに、連れていて恥ずかしくないような顔立ちの美しさを求められることも多かったが、中でもリュートは群を抜いた美麗さを兼ね備えていた。
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