第一章 青い瞳の麗しの執事

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「……謝ってほしくて、言ったんじゃないわ」 素直に謝罪をされて、ジュリアの苛立ちだけが募る。 「はい、承知しております」 「何が、承知なのよ!」 感情を一向に表には出さないリュートに、ジュリアは、ますます苛立ったように口にすると、 「何も、わかってなんかいないくせに……」 カチャンと、カップをわざと音を立ててソーサーへ戻した。 再び、「……お嬢様!」と、リュートから咎める声が飛ぶ。 「……うるさいのよ、リュート」 もはや引っ込みもつかなくなり、ジュリアがそう言い返すと、 リュートは、もうそれ以上は何も言わず、ただ目を伏せただけだった……。
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