{ Prologue }

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「ジル、お前は…」 「っ何かの間違いです!私は何も———」 「——んなわけないだろ!奇跡の水晶が嘘を吐くはずないだろうが!」 「本当なんです!私は…っ」 「…言い逃れは見苦しいぞ、ジル」 「兄上っ…」 「お前は、ハーバー王家、ハーバディア国の恥だ。己の非を認め反省しろ…!」 「、本当に、間違いなのですのに…っ」 「まだ言うか…ジル」 「…みんな……なんで…っ」 城の大広間。いつもは明るい雰囲気なのに、今は冷たく氷のよう。 どうして、信じてくれないの…? 本当に、私は…っ…! 「…ジル・ルナ・ハーバー」 「…っ」 「被告には、無期限で牢屋に入ることの判決を下す」 「…っ!」 「……お前は国の恥であり塵だ。二度と外の世界に顔を出すな」 「…父上…っ」 「もう私はお前の父親ではない。お前も、もう我が国ハーバディア国の王女でもない。ただの罪人だ。……さっさと連れて行け」 「「「はっ」」」 「…そんな…っ」 どうして、私がこんな目に遭わなければならないの…? …っ、どうして…っ。 不意に、視線を感じ横を見ると、私の1つ下の歳の ”彼女”が私を見ていた。そして、誰も見ていないのを確認して、勝ち誇ったようにニヤリと口に弧を描いて笑った。……どうして、皆彼女のことばかり…。 私は必要なかったの?私より、彼女の方が大事なの?……どうして、彼女ばかりを信じるの? 私は、これから、どうなるの…?
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