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世間のやつらがムカつくぜ。
どうしておれの絵の素晴らしさが理解できないのだ。あんたらに見る目がないから、おれは自分らしく生きていくことすらままならない。狭い部屋の中でくしゃくしゃに丸めた作品たちに埋もれ、おれは人間を呪い続けた。おれの絵を評価しない人間なんて、みんな死んでしまえばいいのだ。
外から流れるパンの香りが、空きっ腹を刺激する。野草でも探して腹の足しにしよう。そう思って小道を歩いていたある日、青空から白く輝く何かが落ちてきた。
狙い澄ましたかのように、おれの頭上にひらひらと舞う光。それはきっと、天使がおれにくれた贈り物だったのだろう。
青空のような色が混じった白い羽根。それがあまりにも綺麗だったので、おれはそっと拾い上げた。部屋に飾ろうかと思ったのだ。
しっくりと指に馴染む触り心地。机に飾るのもいいけれど、羽根ペンにするのもいいかもしれない。そう考えてすっと構えてみた、その時だった。
「うわ!?」
羽根の先端が静かな黄金色の光を放ち、そのまま羽軸まで浸透していく。まるで光の筋が一本通ったような。訳が分からなかったが、視線が自然と空の方を向いていた。この不思議な羽根に、描けと言われているような気がした。
まさか。
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