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「でもさ、お姉ちゃん。一緒に旅行行く予定あるよね。その時、ベッド持ってくの?」
「それはね」
ナホは、スカートと下着を少しずらし腰にある充電口を見せた。省エネタイプで、少ない電力充電で長時間稼働できるのだ。
「お父さんが、ここから充電できるようにしてくれたの」
「お父さん、やるー」
「露天風呂とかお風呂はまだ無理だけど、シャワーなら浴びられる仕様になったのよ」
「むむぅ。そうか。なら、私が研究者になったら、お姉ちゃんを露天風呂入れる体にするから待ってて!!」
一生懸命に決意をのべる真凛を頼もしく見たナホ。妹の成長が誇らしい。ナホは、自然と笑顔になった。
「真凛、ありがとう」
その後、初めての家族旅行ヘ行き真凛との楽しい思い出ができた。
ナホが旅館の部屋で壁に寄りかかりウトウトしていたら、
「お姉ちゃん、充電中?!」
「……あぁ、真凛。えぇ、そうよ、極楽、極楽。真凛は、露天風呂に入って夕飯食べてきたんでしょう? 美味しかった?」
「うん。大満足でお腹いっぱい。でも、これさ、お姉ちゃんと一緒に食べようと思って」
真凛は食後のデザートを包んで持ってきたようだ。
「ん? 私は何も口にできないけど」
「私がお姉ちゃんの食事中に一緒に食べたかったの」
真凛の気持ちがナホにはとても嬉しかった。
「真凛、ありがとう。お父さんたちは?」
「夫婦二人でしっぽりやってる」
「あらま。うふふ」
「いただきます」と真凛は両手を合わせメロンを食べ始めた。
真凛、優しい私の妹。
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