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「ん? どうしたの? 嬉しいんだけど……」
「私も嬉しいから」
「そっか、良かった」
チュッと1度だけして、今度は私が夢中になって指輪を選ぶ。
大河は、てっきり今からラブラブモードに入ると思ったようで、「美桜ちゃ〜ん」と甘い声を出している。
「ん?」
「ん? じゃなくて……」
「何? あ、こっちが良いかなぁ〜あ! 大河、絶対外さないでね!」
「うん、もちろん! 外さないよ」
「ホントに?」
「ホントに!」
「飲み会とかで1度でも外してたら、もう離婚よ!」
「え! すっごく厳しいね。ハハ、まあ外さないけどね」
それは、自分でも言い過ぎだと分かっていた。でも、最初にそう言っておかないと、まだまだ不安だったのだろう。口から出た言葉だ。
それが分かっていたのか、大河は、
「大丈夫だからね」と、優しく言ってくれた。
「うん」うっとりしかけて……
「あ、やっぱり大河には、これかな?」と、また指輪を見る私に、「美桜〜負けた、指輪に負けた……」と、嘆いている大河
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