1496人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
そして、日曜日。
父に会うのは、いつぶりだろう?
前回は、電話をかけて、大河が話してくれたから、会わずに済んだ。その前って母の法事の時ぐらいしか会っていないような気がする。
だって、もしかすると、まだあの時見た、女が父の隣りに居るのかもしれないし、もしかすると、もうとっくに女性が入れ替わっているかもしれない。
いずれにせよ、そんな話はしないから知らないし、好きに生きれば良い! と思っている。父の人生なのだから……出来れば関わりたくない。
お昼前の11時頃に行くと伝えた。
大河がこの前、電話で話してくれたから、察しはつくだろう。
懐かしい実家に着いた。
「へ〜ココが美桜の実家なんだ。大きい家だなぁ」
「1人暮らしには、持て余してるんじゃない? だから、いつも誰かを連れ込んでるのよ」
「連れ……まあな、それは分からないけどな」
玄関前まで行って、急に足が重くなる。
「大丈夫か?」
「うん……」
手を繋いでくれた。
「行こう」
「うん」
「こんにちは〜」と元気よく言ってくれた大河
「はい〜」中から父が出て来た。
「はじめまして、青木大河と申します。先日は、お電話で失礼致しました」
「あ、はじめまして、美桜の父です。どうぞ」と、中へ促される。
「久しぶりだな」
「うん」やっぱり、会話は続かない。閉ざした心。
最初のコメントを投稿しよう!