いよいよ

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しばらくして、女性が現れた。 「はじめまして、森川美保子と申します」 「美桜です。えーっと」と大河の方を向くと…… 「今日、夫になります、青木大河と申します」 「おめでとうございます」 「「ありがとうございます」」 そして、父から馴れ初めを聞いて、母とは破綻していた夫婦関係が浮き彫りになり、また嫌な気持ちになったが、そこからも、ずっと続いていたことが分かり、2人の愛は深いのだと思った。同じ会社の人だった。父は、もう55、森川さんも50になったようだ。 森川さんは、未婚なのでお子様も居ない。 これからは、老後に向かうわけで、一緒に居てくれる人が居るなら良いと思った。父を押し付けてしまうようだが、2人の間に愛があるなら本望だろう。 新しいマンションを購入すると言うから、それで良いとも思った。好きにすれば良い。悪い意味ではなく、もう本当に良いと思ったのだ。 お昼ご飯にお寿司を頼んでくれていたので、4人で一緒に食べた。入籍して宝石店に行く旨を伝えて帰ることにした。 「大河〜! 本当にココに住むの?」 「いいじゃん? 子育てには持って来いだよ」 「え? 子どものこと、考えてくれてたんだ」 「もちろんだよ! 子ども欲しいよ。だから、都会より、少し離れた方が良いよ」 「通勤大丈夫?」 「1時間ほどだし大丈夫だよ。今すぐというわけでもないし……それに、お母さんとの思い出の場所でしよ?」 「うん」やっぱり気づいてくれていた。私が手放して欲しくないと思っていたことを…… 「じゃあ、行きますか」 「うん」 婚姻届を提出する為、役所に到着した。時間外なので、提出して終わり。呆気ない感じもするが…… 「これからもよろしくさん!」 「うわ〜ホントだ!」まだ実感はないが、私の姓が変わったんだ! と1人ニヤニヤしてしまう。 「ふふ」と笑う大河に、「よろしくお願いします。青木美桜です!」と言うと「おお〜!」と笑っている。 ニコニコしながら車に乗り、とりあえずハグ。 「夫婦になったね」 「うん」 「じゃあ、もっと実感出来るように、指輪を貰いに行こうか?」 「うん」と、更にニコニコする。 「その前に……」と、新婚初めてのキス。 「ふふ」何でもニコニコしてしまう。
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