いよいよ

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 宝石店に到着。注文通りに仕上がった刻印。 「ご結婚おめでとうございます」 「ありがとうございます」 その日付を見れば、今日が結婚記念日だということが一目で分かる。 「ケースに入れておきましようか?」 「はい」 ──え? まだ嵌めないの? と思ったが後で嵌めるのかなあ? 大河に任せるか…… すぐに車に戻り、「あ、ちょっとトイレ借りて来よう! 待ってて!」と出て行く大河 「うん」 スマホを開きながら待つ。 しばらくすると…… 「ごめんね、お待たせ」と戻って来た。 「ううん、大丈夫?」 「うん、大丈夫だよ」と言うと……大河は、後ろに隠していた物を私の前に、そっと差し出した。 「え?」何がなんだか分からなかったが、どうみても今、行って来た宝石店の袋の中に入ったジュエリーケースだ。 ジッと大河の顔を見た。 「やっぱり、婚約指輪、俺が買いたかったから!」と、袋からケースを取り出し、パカッと開けて見せてくれた。 そこには、キラキラと輝くフルエタニティのダイヤモンドリングが入っていた。とても綺麗に輝いている。驚きで固まってしまった。 「美桜がダイヤ要らない! って言うから普段付けしても邪魔にならないように、コレにした」 大きな一粒ダイヤは、付けるシーンが限られる。高額だし、私はそういう場所には行かないと思っていたから、要らない! と言ったのだ。 大河は、ぐるっと一周ダイヤモンドで飾られたリングなら、邪魔にならないだろう! とお店の方と相談して注文してくれていたようだ。 「じゃあ、手出して! どっちが良い?」 「じゃあ、コレは右に嵌めようかなあ?」 「うん」ゆっくり嵌めてくれる。キラキラと輝く。 「うわ〜綺麗〜ありがとう!」と手をかざす。 「うん。はい、じゃあ、もう1つは交換ね」と、結婚指輪をお互い交換して嵌めた。 「ありがとう」 「こちらこそ! 美桜、結婚式しような」 「考えてくれてたの?」 「もちろん! 相談して決めよう」 「うん。ありがとう」チュッと軽くして、ぎゅーっと抱き付くと、もう一度キスをされ、ぎゅーっと強く抱きしめられた。 結婚式の後は、右手のダイヤの指輪も左手薬指に重ね付けしようと思った。
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