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その日は、大河のお母様のお店で一緒に食事をしよう! ということになっていた。
時計を見ると、まだ3時過ぎ。
「まだ時間があるな。ちょっと、寄って行きたい所があるんだけど……」
「うん、良いよ」お母様に手土産でも買って行くのかな? と思っていた。
なのに、着いた場所は、写真スタジオ。
「え?」
「記念に写真撮ろうよ」
「うん、まさかドレス着て?」
「おお、良いね! 着ちゃう?」
「え!」
冗談で言ったのに、本当に大河は、ウェディングドレスとタキシードを予約していたようだ。
「嘘! ホントに?」
「うん」とニコニコ笑っている。
照れながら、着替えたものの、写真屋さんに促されて、何ポーズもの写真を撮る。ハイテンションになり、楽しくて仕方がない。2人共ずっと笑っている。
写真が出来る間、自分たちでも自撮りして、友達やお母様に送る。
皆んなから〈おめでとう!〉の文字が並ぶ。嬉しい。
「大河、ありがとう。すごく嬉しいよ」
「良かった! 喜んでくれて。喜びついでに式挙げない?」と言う。
「は? 何、何? 今日驚くことばかりなんだけど……」
「せっかくドレス着てるんだから、ちゃんと式挙げて本当の結婚記念日にしようよ!」
大河の行動力とサプライズに驚かされっぱなしだ。
出来上がった写真とデータをいただき、衣装を借りたまま、式場へ向かうという。
「どこ行くの?」
「会場だよ」
「今日のことは、最初から決まってたの?」
「あ〜そうだね〜」と笑っている。
「サプライズばかりで、ずっと驚いてるんだけど……」
「なら、良かった! ラストまでお付き合いください!」
もう、大河に任せるしかないと思った。
そして、到着した先は……
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