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神社にでも行くのかと思っていたら……
有名なホテルに到着した。
「え〜! よく予約取れたわね〜」
「俺って、持ってるよなあ〜」と笑っている。
「ふふ」
そのまま、速やかに案内される。そりゃあ、こんな格好をしていれば一目瞭然だ。
ホテル内の教会の前だった。
「しばらくお待ちくださいませ」と、待たされる。
──教会かあ〜本当ならバージンロードは、新婦の父と歩くものなのよね? いや、それはもう遠い夢で終わってしまったのだ。大きな窓から見える景色を2人で眺めていた。
ふと、振り返ると……そこには、先ほど会った父と父の彼女が立っていた。
「え?」驚いて大河の顔を見た。
「やっぱり、お父さんと歩いて欲しい!」と大河
一瞬、訳が分からず戸惑ったが、ここまで来たら、
「そ、そうだよね? ありがとう」
困惑しながらも、ココで逃げるわけにもいかない。
さっき嵌めたばかりの結婚指輪を一旦スタッフさんに預けて、大河は準備の為、先に中に入り、観念したかのように父と並ばされ、腕を組む。
「おめでとう〜とても綺麗だ! 長い間すまなかったな。花嫁姿を見させて貰えて本当に嬉しいよ。大河くんに感謝だな」と言う父。
その言葉に、自然と涙が溢れ、この5年間の蟠りがスッと剥がれ落ちて行くように感じた。
「来てくれて、ありがとう」と言うのがやっとだった。どんどんものすごいスピード進んで行くことに頭が付いて行かない。
「ご入場です」教会のドアが開いた。
パチパチ パチパチと拍手が鳴り響く。
「え?」予想通りというか、やっぱり驚かされた。
中には、大河のお母様、会社の上司、同僚、友達が並んで待ってくれていた。
また、驚きと嬉しさとで、今、自分がどんな顔をしているのか? 分からない。きっと引き攣った笑顔と涙でぐちゃぐちゃになりながら、歩いている。
朋花と菜津葉の涙で分かった。やっぱり、私は笑い泣きしながら、歩いているようだ。
ようやく大河の元へ着き、「笑顔で歩きたかったのに……」と言うと、「ごめんな」と涙を拭ってくれた。
「ううん、全部ありがとうね」と、ようやく笑えた。
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