【完】これは、運命ですか？

とんでもない事件

　特に化粧が派手でも誰も何も言わないが、つけまつ毛だけは、万一、取れてしまって混入してはいけないので、禁止となっている。

さすがに大河が、「真鍋さん？　これから現場に入ってもらいますので、装飾品は全て外してください！　それと、万一のことがありますので、つけまつ毛は、禁止となっております。注意事項は、読んでいただけましたか？」
「あ、もう外すのですね？　ごめんなさい。外して来ます」と……

「それと、必ず現場には、10分前集合です。そちらも書いてありましたが……」
1人だけ時間ギリギリに来られた。
「あ、申し訳ありません」

「きちんとルールを守っていただけないようでしたら、３日間の研修期間で仮契約終了ということも有り得ますのでご了承ください。そちらも記載しております」
「分かりました」と、走ってロッカーへ行かれた。

面接の日だけきちんとされていたら、見抜けないこともある。実際に一緒に働いて分かることもある。
初日からイヤな空気が漂う。

──この方、他の方々と、上手くやっていけるのだろうか？　という不安感でいっぱいだった。

9月から来てくださっているパートさん達は、要領も良く、人柄も良いので良い関係が保たれているが、やはり、もしかすると人選を間違えてしまったかもしれない、と思っていた。