とんでもない事件

3/10
前へ
/117ページ
次へ
 初日は現場を案内し、どこに何があって、どう流れるのか? 一連の流れを理解していただく。 そして、3ヶ所ある作業場、それぞれの作業の仕方を見ていただく。 まずは、他のパートさんがされていることを見て、覚えていただくことが大事なのだ。 その後、実際に作業していただき、慣れてくれば徐々にスピードアップを試みる。 そして、どの人がどの程度理解して、出来ているのか? 大河と山城次長、私でこっそりチェックする。 もちろん初日だから、まず確実に覚えることに専念してもらうので、厳しいことは言わない。 午後は、2時間ほどで終了。 初日は、短時間で終了していただくことにしている。きっと初めての場所で不慣れな作業なので、皆んな疲れてしまうからだ。 中には、1日で辞めてしまう人も居る。 人には、向き不向きな仕事がある! と理解しているから仕方がない。 研修生が帰ってから、軽く3人で会議をする。 やはり、大河は、30歳の真鍋さんが不向きだと言う。 「あとの2人は、一生懸命だが、あの人は、仕事をしに来ているのか? 出会いを求めて来ているのか? 仕事だけが出来ても他のメンバーとの関係も大事な仕事だから……」と言う。 確かに、流れ作業でもあるから、自分1人だけではない。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1508人が本棚に入れています
本棚に追加