とんでもない事件

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 そのまま、大河と真鍋さん、私まで会議室へと連れて行かれた。 すぐに、工場長、副工場長、常務などの役員たちが、集まり、事情を聞かれる。 パートさん達は、そのまま仕事に戻り、次長が頑張ってくれていたようだ。 「まず、何があったのですか?」と副工場長に聞かれ、大河は、起こった事実をそのまま話した。 すると、真鍋さんは、「違いま〜す! この人がロッカー室に連れ込んで、私に無理矢理キスしたんで〜す」と言った。 私は、その言動と態度にムカムカしていた。 大河も同じだと思う。 2人同時に「「違う!」」と言ってしまった。 「では、綾瀬さん。見たまま聞いたまま、話してください!」と副工場長に促された。 私もロッカー室の前で聞いた会話と、その後、ドアを開けて、見たままを話した。 私たちが交際していることを知っている人は、ココには居ないから、大河を庇っているという誤解はないだろうから良かった。ただの部下として事実を話せる。 すると、 「綾瀬さん! どうして部長を庇うの? 同じ女なのに、私の味方してよ!」と言う真鍋さん。 何とも可哀想な人だ。過去にいったい何があったのだろう? 嘘を正当化しようとしている。 「敵も味方もありません。私は、事実を述べているだけです。コレを聞いてください!」 と、さっき咄嗟に取り出して録音した音声を流した。 さすがに、「え?」と驚く真鍋さん 役員たちも呆れている。 「残念ながら、真鍋さん! これが事実です。貴方は最初からおかしかった。人が仕事の話をしているのに、全く聞かずに、それぞれの現場現場で、男性陣を品定めされてましたよね?」 「え?」と、それにも驚く役員たち 「他の方は、皆さん真剣に仕事に向き合ってくださっていたのに、貴方だけは、初日から10分前集合は守らないわ、装飾品はジャラジャラ付けてくるわ、化粧もバッチリで、禁止されている付けまつ毛もバシャバシャ、爪は真っ赤なネイル! 本当にココで働く気があるとは全く思えません!」と、頭に来ていたから、思っていることを並べた。
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