とんでもない事件

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役員たちも唖然として、 「真鍋さん! 事実ですか?」 「だって……チッ! もう30歳だし、職場で男探しして何が悪いのよ!」と開き直った。 「それに、青木部長が1番私のタイプだったから、付き合って! って言ったのに、『大切な彼女が居るから無理だ!』 って断られて、せめてキスだけでもしてもらおうと思ったのに、『ふざけるな! 仮契約も解除だ!』 って言うから、綾瀬さんが入って来たタイミングで、わざと唇を奪ってやったのよ!」と言った。 「そして、わざと部長を陥れるために、『きゃー!』って叫んだんですよね? 最低ですね。同じ女として恥ずかしいです」と言った。 「よく分かりました」と副工場長 「情報に寄ると、貴方、以前の職場でもこういうことを繰り返していて、懲戒解雇になっていますね?」 「え? どうしてそれを?」 「業界同士、横の繋がりがあるのですよ! あなた前職の退職理由にも偽り有りですね。円満退職と書いてありますが……」ついに黙ってしまった真鍋さん。 役員方々の方を向いて相談している副工場長。 「真鍋さん! 仮契約は、解除とさせていただきます。それどころか、コレは、犯罪になりますよ! 今この瞬間もここに居る社員は、仕事がストップさせられて、貴方の処分の為に時間を費やしている。損害賠償を請求したいぐらいです。 それに、一方的に思いを寄せた青木部長に、交際を断られた腹いせに罪を擦りつけて、しかも、同意なく勝手に唇を奪ったとなると、逆に訴えられてもおかしくないですね。他の社員たちにも動揺が見られます。当社の規定を守らず、コレ以上働いていただくわけにはいきません。 残念ながら、当社とはご縁が無かったということですね。何か不服申し立てがありましたら、こちらの顧問弁護士を通じてお話くださいませ。では、お引き取りを!」
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