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誤解
副工場長室からの帰り、ニヤニヤしたまま帰って来た大河。
「ん?」
──なんで大河笑ってるんだろう?
「あ、大丈夫だよ」と、ニヤニヤ笑っている。
「なんで笑ってるの?」
「ふふ、あとで教えてあげる」
──何よ! 何なのよ! 誰も居ないんだから、今、教えてくれてもいいじゃない!
ジーっとみるが、ずっとニヤニヤしている。
また、何かあったのかなあ? と余計不安になる。
何も話さないなら、いいや……
「ピッキング行って来ます!」
「行ってらっしゃ〜い! 俺も後で行くよ」
「はい」
──なんなのよ! 1人でニヤニヤして!
人が心配して待ってたのに……大河のバカ!
それからは、ピッキングを軽く手伝うつもりで行ったのに、競うかのように1番スピードが速く処理してしまい、パートさん達が唖然としていた。
「綾瀬さん、大丈夫ですか?」と心配された。
「あ、大丈夫です! ごめんなさい、私、集中しちゃうと周りが見えなくなってしまって、気にしないでくださいね、アハ」
そして、また集中している時に、大河が来た。
知らんぷりをして、仕事を熟す。
「すごいスピードですね〜」
「今、集中してるので話しかけないでください!」
「あ、すみません」
他のパートさん達を見回りに行った。
──大河のバカ!
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