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まだ信じられない。
「何がなんだか……副工場長の部屋から帰って来た大河が、何も話してくれないから、私……」
「ん? 何か誤解してたんだろ?」
「だって、それならそう言ってくれれば……」
「会社だもん。帰ってから話そう! って言ったでしょう? だから、帰りにおふくろに証人のサインをもらってから、美桜に書いてもらおうと思って」
「それだって、逆じゃない?」
「え、あ、ごめん! やっぱり美桜が先だったよな? おふくろにも言われたけど、寄ったついでに書いてもらおうと思って……」
「ううう〜ハア〜〜〜〜!」
「ごめん、ごめん」
「ううん……そうじゃないの……」
「ん?」
「いくら聞いても大河が何も話してくれなかったから、私1人でどんどん悪い方にばっかり考えちゃって、もう私たち終わりなのかなぁ〜って……」
「え? なんでそうなるの?」
「だって、大河が何考えてるのか、分からなかったし、ずっと1人で笑ってて、よっぽど良いことがあったんだなって」
「それで、なんでもう終わりだなんて話にまでなってたの?」
「他の人と結婚するなら、私なんて要らないじゃない! だから、ちゃんと話してくれてたら……うわ〜ん〜〜」
「ごめん、俺のせいだな」
「ううぅ〜」
「あ、ごめんごめん」と、慌てて抱きしめに来てくれた大河
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