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「いつ出すの?」
「土曜日にお父さんにサインもらってからだな。あ、ダメだ仏滅だ!」
大河は、『15日が仏滅だから、16日の大安、日曜日に父にサインをもらって提出しよう!』と言っていた。
案外、大河がそういうのを気にするタイプなんだなと初めて知った。
きっと、母とお父様のこともあったし、何ごとも慎重になっているのだなと思った。母とお父様が亡くなった日は、仏滅だったらしい。やたらと気にしていた。
私は、正直いつでも良いと思っていた。こんなに早く入籍するとは、思っていなかったので、実は、それだけで嬉しかった。
大河がまだ昇進したばかりだし、パートさんにも人気者だから、私が独占しても良いのか? とも思っていたから、余計にネガティブなことばかり考えてしまったのだと思う。
大切なお母様の指輪をいただき、婚姻届にサインをして、やっぱり嬉しかった。
とりあえず、たくさん作った料理を温め直して、2人で食べる。
「美桜ちゃ〜ん、さすがに全部は食べられないから、また、明日食べようね」
「うん、分かった」
「どれも美味しかったよ、ありがとう」
「うん」チュッ
いつも通りに戻っていた。
──良かった
目を合わせるとすぐキスをする大河。目を合わせちゃいけない。余所見をしていても、わざと顔を覗き込んで、またキスをする。
「ふふふ、もう〜!」
でも、嬉しかった。当然、一緒にお風呂に入ろうと言う。ラブ度が増したような気がする。
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