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プレイ・プレイ・シスター
雨宿りのつもりで入った喫茶店は、なんというか、非常に違和感のある店だった。
一言で表現するならば、ファンシー。
建物の作り自体は落ち着いたものなのに、レース地のカーテンやらテーブルクロスやら、これでもかと言わんばかりの色鮮やかなレースで店内が埋め尽くされている。
そしてところ狭しと置かれたぬいぐるみの山。
犬、猫、馬、熊、他にも盛り沢山で、不思議の国か、はたまた動物園かと言った様相だった。
すぐに見渡せてしまう程度の広さしかない店内を、動物達が占拠している。なんとも落ち着かない。
そして動物達もまた、レース地の衣装で着飾られていた。
「いらっしゃいませ」
呼びかけられて思わず身をすくめた。ぬいぐるみの中に隠れるように、一人の女性がカウンターにぽつり立っていた。どうやら店主らしい。
人がいたことに少し安心して、カウンターに腰掛ける。
座ったところで、違和感の正体に気付いた。賑やかな店内だが、人がいないのだ、彼女と私以外。
カウンターテーブルにも勿論ぬいぐるみは並んでいて、どれも優しい表情をしているのに、何故だかとても寂しそうに見える。
コーヒーを頼んで一息つき、窓の外に目をやる。雨はしばらく止みそうにもない。
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